Free style
「CU:リレーノート」第10回「文字」デザイナー:長島〜
2013年2月20日
カテゴリー:Free style
「CU:リレーノート」第10回
「文字」
デザイナー:長島未来
『文字』には本来の役割の他に、もうひとつの面を持ち合わせているように思います。それは『画』としての文字です。
昔、私のお気に入りのTシャツを見た友人が、突然笑い出したことがあります。
どうやら、Tシャツのデザインに使われている英文が、文法もおかしければ内容も意味不明だったのだそうです。デザインが気に入って買ったのですが、柄の中の英語を『文字』として捉えると、確かに首をひねってしまうものでした。
つまり、私は文字を『画』として、友人は文字を『文字』のまま捉えたのです。
インターネットで同様の事例を検索してみると、なかなかに斬新奇抜な使い方をされた日本語や外国語の画像がざくざく出てきます。
実際に、思わず2度見してしまうような、変な日本語の刺青や服を着た外国人に出会ったこともありました。
また、絵と文字の結びつきが強い象形文字などはさらに顕著です。中国のナシ族に伝わる『トンパ文字』をご存知でしょうか?近年有名になるにつれ、トンパ文字独特の造形美とそのものめずらしさから、トンパ文字を使った製品が数多く生まれました。ですが、使い方が間違っていることが度々あるそうです。
自国のものではない言葉。理解できない文字。
正しく『文字』として使うのか、はたまた、曲線と直線の塊の『画』として表現するのか。
情報の伝達やメッセージ性を必要とするものは、正しく言葉を選ぶ必要がありますが、そうでなければ、ヘンテコな文字や表現、私はアリだと思います。「かわいい」「素敵!」と、文字を感覚的に『画』として捉え、自分の気に入った物を買うのは自由です。さらに、ヘンテコデザイン言葉を『文字』としても捉え、つっこみを入れたり、笑い合ったり。それですら一種の楽しみ方ではないかと思います。
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●http://www.superdry.com/
↑日本人には到底できない、斬新な日本語の使われ方です。そしてかっこいい。
● 画像はトンパ文字を使って私が遊んだものです。意味は・・・きっとおかしなことになっているでしょう。