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Free style

「CU:リレーノート」第18回「余分」に負けない。プランナー:河井 良治過去記事です

2013年4月17日
カテゴリー:Free style

長くこの業界で仕事をしてきて、思い起こせば、とにかくいつも「時間」に追い掛けられてきた。
まだ若かった時、体力も充分にあった時は、その追い掛けられ方がそれなりに嫌じゃなかった。深夜・休日を問わず滅茶苦茶な時間の使い方になっていた一方で、むしろ切迫感がゲーム的で面白くさえあった。

ところが、ある時点からたまらなくしんどくなった。30代後半の頃だったと思う。体調を崩しかけた。時間のコントロールに、もっとポリシーを持たないとダメだと真剣に感じた。
で、いろいろごちゃごちゃに貯まった経験則から3つ。自分に対して勝手に法律を課すことに決めた。

テーマは、「余分な時間を外す」。

その1…
とにかく「やってみなはれ」。

結局、どうしよう?…と逡巡しながら手を着けない時間が一番もったいない。ある程度考えて、あれこれ思ってやめて、また思い出して考えて。その寸断がムダを生む。綿密に準備をしないと…と言い訳しながら葛藤する時間は余分。そこを外す。
今やった方がいい…と思った瞬間の自分の勘を信じる。やったうえで失敗しても、ちゃんと受け止めれば、次にどうしたらいいかのヒントは学習できるはず。「うまくいく」の反対は、「うまくいかない」じゃない。「何もしない」ことだと思った。
新しいことに向き合う時、無茶でない限り、社会的道義に反しない限り、まずはやってみる。その決断に、3分間以上かけない。
後々、某大御所クリエイターが、何かのコラムで同じことを言っていた。ほら…やっぱり。大丈夫。

その2…
「どうにもならないこと」で悩まない。

日々、トラブル・困りごと・心配ごとは次々と出てくる。そんな時のイライラ・ハラハラ・ドキドキは、とってもストレス。
ただ、そんな障害には2通りしかないことに気がついた。自分でなんとか「変えられるもの」と「変えられないもの」。変えられないものにグダグダとこだわってみたって、実は何も起きない。だから、とっとと諦めて受け入れる。負けを認める。
変えられるものだけに頭を使う。自分の何を変えたら、何に気をつけたら、次からそんなことにならないのか?…そこに早く行き着くことに時間を投入する。
自分ではなんともならないことに、くよくよと時間を割くのは余分。そこを外す。
後々、イチローが、テレビのトーク番組で同じことを言っていた。ほら…やっぱり。合ってる合ってる。

その3…
「どうしたらできるのか?」…を考える。

難しい局面、無体な事態。公私を問わず、スクランブルは起きるべくして起きる。そして、自分にはできない。解決の仕様がない。つい否定的な反応が口をつく。
ところが、局面・事態は覆い被さったまま。え~そんなの無理。なんでこんなことになるんかなぁ。言わんこっちゃない。恨みごとを吐きながら時を費やす。止まる。引く。
これが全くもって建設的じゃない。第一悔しい。嫌な状況をなぞる時間、文句を言う時間は余分。そこを外す。
確かにびっくりはする。もちろん事と次第にはよるが、その瞬間にブレーキではなく、敢えてアクセルを踏む。ゲーム・スイッチを入れる。「どうしたらできるのか?」…悩ましい辛さから考える面白さに切り替える。
この感じを持ち出してから得もした。プレゼンの際の問題を壊すアイデアを捻出する時間が短くなった。
後々、コーチングの研修を受講した時、講師に最初に言われたのがこのフレーズだった。ほら…やっぱり。きっと間違ってない。

で、今…。
せっかく決めた三原則も、完璧に守れてるかと言われると自信はない。相変わらず、時間に追い掛けられる毎日も大きくは変わってない。
でも、自分を、そして周りを押す感じ、せっつく感じは定着した気がする。「余分」と戦うつもりはできている。
だって、よくよく考えてみたら、人生…残り時間の方が少ないんだし。

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