Free style
「CU:リレーノート」第7回 コピーひとつで多くの人が揺れ~
2013年1月30日
カテゴリー:Free style
コピーひとつで多くの人が揺れ動く?
デザイナー:田中秀一
皆さんこの言葉ご存知でしょうか・・・?「Think small.」
実はこの言葉は、1959年フォルクスワーゲンの
新聞広告のコピーなのです。
砂漠の中で小さなビートルの車が遠くを走っていて、
紙面の下の方にはFutura書体で「Think small.」
(もっと小さいという事を考えてみようよ、みんながもっと
smallになってみよう)的な意味合い。
一見なんてないコピーに見えますが、私はこのコピーが
大好きで、同時に目標としている広告の一つなのです。
当時アメリカでは戦争に勝ち、「大きくてダイナミックな
大型車が良いに決まっている」という考えが主流でした。
そんな中、小さく不格好な形として知られていた
フォルクスワーゲンはあまり人気のない車でした。
しかし、フォルクスワーゲンはそれを逆手にとり
「小さい事をもっと考えて。(Think small.)」と広告を打ち、
小さい事から生まれる、低燃費。小さい事から生まれる省スペース。
時流とは真逆のアピールをしました。
それにより、フォルクスワーゲンの良さが広がり、
「Think small.」はまさにアメリカ人のハートを
動かしたコピーとなったのです。その後も、
このコピーをもじってApple社が
「Think Differrent(違いを考えてみよう的な意味合い。)」というコピーで注目を集めました。
普段、デザインを制作する上で
どうすれば見ている人に響くビジュアルになるか、
どうすれば気持ちの中にすっと入ってくるようなコピーになるかを考慮して制作しています。多くの人が揺れ動く程の広告というのは、中々難しいものですが、目標は高く!いつか多くの人が揺れ動くような広告を作りたいと思います。