Designer's Voice
「Designer’s Voice」第5回【好きなデザイン、教えてください】
2013年3月27日
カテゴリー:Designer’s Voice
「Designer’s Voice」第5回
【好きなデザイン、教えてください】
チャーミングな人だと思う。話し方や仕草がほんわかしていて、「なんか気になるなぁ」と感じさせる人。
今回の対談相手は篠崎真生さん。スーパーなど流通関連のポスターやリーフレットなどを手掛けている。前職では雑誌のデザインをされてきたそう。
そんな彼女はこの質問、何て答えるだろう?
*篠崎さんの好きなデザインとは?
「うーん、なんだろう…。(かなり考えて思い出したように)あ、でも森本千絵さんの作品はけっこう好きですね。」
*どんなところが?
「世界観、でしょうか。幅広いジャンルのお仕事をされていて、作品ごとのテイストも違うのに、もうパッと見て彼女のデザインってわかるじゃないですか。それに、楽しんでつくってる感じが伝わってくるんです。まぁ『デザイナー』というよりは『アーティスト』に近いんでしょうけどね。」
*おぉ、なるほど。篠崎さんにとって「デザイナー」って…?
「縁の下の力持ち、な人ですかね。」
*というと?
「こう、がつがつ『自分』を出すわけではないじゃないですか、この仕事って。主張しすぎちゃうと表現が偏っちゃう…というか、幅が狭くなっちゃうと思うので…。自分のためのデザインではないですからね。でも、そういうスタンスが私には合ってる気がします。」
*デザイナーとして影響を受けた人はいますか?
「…!(再び思い出したように)祖母です!」
*どんな方なんですか?
「小さい頃一緒に住んでたんですが、絵もお裁縫も何でも上手で、ものづくりの達人。すごすぎて、何だ?この人は魔女なのか?って疑ってました(笑)。今でも覚えてるのは『好きなだけ絵を描きなさい』と言われたこと。だからなのか、家の壁に落書きしたり、そこら中にシールを貼っても怒られなかったんです。大きくなるまで周りの家庭では叱られることだって知りませんでした…。今でも祖母のように日々の暮らしもクリエイトできたら素敵だなぁって思います。」
*今後チャレンジしていきたいことはありますか?
「Webデザインですね。興味はあるのに、仕事として制作したことがなくて。ユニティに入社したのも流通のデザインを経験したかったからなんですが、デザイナーとして色んなことを吸収していくって楽しいですよね。」
*ありがとうございました。
取材中、「楽しい」ということばをよく聞いた。キツかった仕事は?との問いにも「大変でも楽しかった」と答えが返ってくる。きっと、彼女は「楽しさ」を見つけるプロだ。何よりデザイナーという仕事が好きであること、幼い頃にのびのびとデザインに触れていた環境が、どんなこともポジティブな気持ちに変換させる秘訣なのかもしれない。