Designer's Voice
「Designer’s Voice」第9回【好きなデザイン、教えてください】
2013年6月19日
カテゴリー:Designer’s Voice
決しておしゃべりな人ではない。
けれど、紡ぎだす言葉にユーモアがあって、
独特な雰囲気を持つ人…に感じる。
何だか気になる彼女の名は、浅羽まりえさん。
どうやら本当に興味深い人だった…。
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※そもそもデザイナーになろうと思ったのはいつ頃ですか?
美大を出てから、美術系の予備校の先生の助手をやっていて。
で、その時にmacとかデザイン系のソフトを使ってたので、
それを活かせたら…って思ったのがきっかけです。
※教えることにも興味があったんですか?
一応、教職(免許)持ってるんですよ。
※おお、すごい。
先生になれます、頑張れば。中・高と。(美術の)
※いちばん多感な時期の。
ほんと子どもって素晴らしい(笑)なんて。
※その心は?
教育実習で地元の富山の出身中学校に行ったんですけど、
そこは周りが田んぼに囲まれてるようなところで。
みんな、ほんとに素直なんですよ。
だからかもしれないけど、美術に興味がなくてもやる気になってくれるんですね…教え方ひとつで。
子どもたちが、美術を通して人として成長してく…みたいなのが感じられる、素晴らしい職業だなぁって思って。
※最近はある漆器メーカーの案件にも参加されてますよね。
やっぱりね、「工芸」って大事ですよ。
※お、詳しく聞かせてください。
日本の伝統工芸って洗練されていて、ほんとにフォルムやデザインに無駄がないのに、意外と不思議な遊びがあったり。
なんていうかね…(考えながら)でも、ほんと、感動しますね。
すごい、圧倒されますよ。空気が違います。
そういう時、私の手がどうやら熱くなるらしいんですよ。
旦那曰く。
※えー!すごい!そういう話をしてる時ですか?
そうそう。あと、いいものを観てる時とか…
ずっと手繋いでるわけじゃないけど(笑)。
それがおもしろいって言われます。
※例えば、デザインを考えてる時ってどんなときですか?
タイミングはいつなんどきでも。
あと…
普通にまじめっぽいデザインの話になりますけど、
デザインって「お知らせする」のが仕事だと思っていて。
※おお!すごい。今日の核心ですね。
デザインしていくことでいちばん心がけていることは?
…(しばしの間考えて)
「ユーザー目線」ってやつですかね。
手に取る人とクライアントが求めてることって
あるじゃないですか。
その着地点って、実はかなり狭かったりするんじゃない
かって思うんですね。
(考えながら)なので…
デザイナーとしてそこからずれないものだったり、
手に取った人の期待を超えられるようなもの…を
表現できるようになりたいですね。
※ありがとうございました。
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少しずつ、言葉を選びながら
ゆっくりと話をする姿が印象的だった。
日ごろからよく考えてしまうタイプだそう。
創造力のベースは、物ごとを感じるアンテナが色々なところ
に張り巡らされていることなのかもしれないなぁ…。