ニュース・ブログ
IT & WEB" TREND WATCH
日進月歩のIT&WEB業界における旬のニュース・トレンドを素早くキャッチ。
その現象・製品のもたらす価値や今後の展望などを、わかりやすく解説していきます。
IT TREND WATCH第11回 「デジタル・タトゥー」
2013年8月21日
カテゴリー:IT TREND WATCH
皆さん、こんにちは!
IT TREND WATCH第11回のお題は、「デジタル・タトゥー」についてです。
タトゥー、それは日本でいうところの刺青の意。「デジタル」と頭についているので、デジタルデータを体に埋め込んだり、デバイスとして機能するように特殊なインクや素材を使用して人体に彫る、などといったイメージが湧いてきます(実際そんなチャレンジをしている方もいるみたいです)が、今回のテーマにおける意味合いはちょっと違います。
どちらかと言えば、「(一度彫ると)容易に消せない」タトゥーとしての特性の方の意味合いで、より進んでいくITデジタル社会の問題点をとらえた言葉です。
この言葉は、TED Conference(Technology Entertainment Design)という世界的に有名な学術・エンターテインメント・デザインなどの講演会で、今年2月にファン・エンリケス氏が発表した内容で使われました。NHK教育テレビの英語教養番組「スーパープレゼンテーション」にてTEDの講演が取り上げられているので、ご存知の方もいるのでは。
【TED2013 ファン・エンリケス氏の講演動画】
http://www.ted.com/talks/juan_enriquez_how_to_think_about_digital_tattoos.html
皆さん、日々の生活の中でインターネットを利用していますよね。これを読んで頂いているのもそうですし、ちょっとした調べ物で検索したり、お買い物したり、SNSに投稿したり。。。また、メールも日常的に使われていると思います。最近では位置情報と紐付いたサービスなどもあり、デジタルクーポンの利用も標準的になってきています。
エンリケス氏いわく、能動的もしくは受動的に関わらず、上記の様な人間の行動の履歴としてデジタルデータが自動的に記録されていき、それはほぼ永久的に蓄積されていくとのこと。この「人間活動のデジタル記録(ログ)」が、まるでタトゥーのように消えずに残っていく。。。と分析しています。この結果、ヒトはある意味で不死だという表現もしています。
改めて指摘されると、「なるほど!」と感心させられてしまうと同時に、これは今までは思いも寄らなかったIT社会の成熟が招いた新たな問題点だといえるのではないでしょうか。
最近、「WEB2.0」といった、従来のWEBを更に進化させた考え方が浸透してきており、サービスや情報同士を連携させることでまた新しい価値を生み出す手法がクローズアップされています。例えば、WEB上で簡単にニュースが読めるサービスがあり、一方でニュースを自動で集めるサービスがある中で、その2つをマッシュアップさせることで「自分の嗜好にあったニュースを自動で集めてくれる」サービスが登場してきています。
この「マッシュアップ」により、もしかしたら近い将来、デジタル・タトゥーをつなぎ合わせることで、個人の特定はもちろんのこと、そのヒトの人生そのものまでも浮かび上がらせることができるようになるのかもしれません。
また、「ビッグデータ」という単語がマーケティング活動の一つのキーワードと言われだしていますが、ヒト一人ひとりのログの集合体がビッグデータだとも言えるので、ある意味私たちは日々生きていく中でせっせとデジタル領域にその足跡を残し、それを企業体がビッグデータとして活用しようとしている。。。という社会の縮図も見えてきます。
プライバシーの保護が声高に訴えられている昨今ですが、一方で自分自身で無意識の内に個人情報を流布し、記録されている可能性があるのです。
「デジタル・タトゥー」について、皆さんはどう思われますか?
何だか難しい話になってしまいましたが、そんなこともあり得るなぁと感じつつ、FacebookやInstagramでのあまりにおバカな投稿はちょっと自重しようと強く思った筆者でした。。。