Free style
「CU:リレーノート」第1回 デザイナーとして本当に大切なこと。
2012年12月11日
カテゴリー:Free style
グラフィックデザインに関わる仕事を始めてもう16年が経ちました。
私が新米デザイナーとしてスタートした頃でも、一人一台パソコンを与えられていましたが案件によっては版下入稿するなど、まだまだアナログが残るデジタルへの移り変りの時代でした。
そんなアナログが残る時代からたった十数年で、更にDTPの世界はパソコンやソフト、印刷技術のデジタル化が進み、そのおかげでデザイナーの表現できる幅が大きく広がりました。
しかし、色々な事が進化する中で、疎かになってしまったことがあると思います。
今、デザインの現場では昔と違い、パソコンという道具の進化のおかげで今まで数時間かかっていたことが、数分またはワンクリックで表現できるようになりました。
そのせいか、昔に比べデザインの表現は格段に上がりましたが、一方で、そこにオリジナリティーはあるのか?それは意味のある必要な表現になっているのか?と疑問を感じることが多々あります。
進化したパソコンによって、簡単にできるテクニック的な表現に頼りきってしまっているのではないだろうか?
今のパソコンは誰でも少し使い込めばそこそこの表現ができるようになっています。私たちデザイナーも、便利になった反面、プロとしての評価が問われる厳しい状況にいます。
では、私たちに必要なことは何なのか?
「ユーザーやお客様から求められることをしっかりと表現する」ことです。
それは「聞く力・考える力・導きだす力・表現する力」であり、
●聞く力=ユーザーやお客さまからの要望を聞き取る。
●考える力=要望に関して色々な方向から考える。
●導きだす力=考えた内容を必要な内容に整える。
●表現する力=必要な内容をふさわしい表現で創る。
これら「デザイナーの基本」をしっかりする必要があります。
これは簡単なようで、とても難しいことです。しかし、プロのデザイナーとして当たり前であり絶対的に必要なことです。
誰もが便利な道具が手に入る今、改めてプロのデザイナーとしてもう一度「デザイナーの基本」の大切さを考えな直さなければいけないと思います。
道具に使われるのではなく、道具を使う人間、考える人間として進化したいものです。
大島貴明