月別アーカイブ: 2013年1月

「CU:リレーノート」第7回 コピーひとつで多くの人が揺れ~

コピーひとつで多くの人が揺れ動く?

デザイナー:田中秀一

皆さんこの言葉ご存知でしょうか・・・?「Think small.」


実はこの言葉は、1959年フォルクスワーゲンの

新聞広告のコピーなのです。

砂漠の中で小さなビートルの車が遠くを走っていて、

紙面の下の方にはFutura書体で「Think small.」

(もっと小さいという事を考えてみようよ、みんながもっと

smallになってみよう)的な意味合い。


一見なんてないコピーに見えますが、私はこのコピーが

大好きで、同時に目標としている広告の一つなのです。


当時アメリカでは戦争に勝ち、「大きくてダイナミックな

大型車が良いに決まっている」という考えが主流でした。

そんな中、小さく不格好な形として知られていた

フォルクスワーゲンはあまり人気のない車でした。


しかし、フォルクスワーゲンはそれを逆手にとり

「小さい事をもっと考えて。(Think small.)」と広告を打ち、

小さい事から生まれる、低燃費。小さい事から生まれる省スペース。

時流とは真逆のアピールをしました。


それにより、フォルクスワーゲンの良さが広がり、

「Think small.」はまさにアメリカ人のハートを

動かしたコピーとなったのです。その後も、

このコピーをもじってApple社が

「Think Differrent(違いを考えてみよう的な意味合い。)」というコピーで注目を集めました。

普段、デザインを制作する上で

どうすれば見ている人に響くビジュアルになるか、

どうすれば気持ちの中にすっと入ってくるようなコピーになるかを考慮して制作しています。多くの人が揺れ動く程の広告というのは、中々難しいものですが、目標は高く!いつか多くの人が揺れ動くような広告を作りたいと思います。

「CU:リレーノート」第6回 「一生ものの道具」

「CU:リレーノート」第6回

「一生ものの道具」

デザイナー:磯崎麻里

手仕事をするための「道具」が好きです。

「画材」「調理器具」「木工道具」など。

目新しいものにはもちろん興味があります。

でも最近のハイテクなツールたちは「そのバージョンには対応していません」

「そのパーツは既に製造していません」

などと言われて買い替えを余儀なくされることがしばしば。

せっかく愛着を持っても別れがすぐに来ます。

今の安くて使い捨ての世の中には、ちょっと残念な気持ちになったりもします。

古い考えかもしれないけど、

「道具」というのは直しながら思い入れを持って一生使いたいものです。

だから直して使えるものや、愛着の湧くものを使うようにしています。

少しだけかじったことのある茶の湯の世界では、割れた茶碗は捨てません。

割れ目を漆と金や銀で継いで、それを更なる味わいとして楽しみます。

こうして使い続けることで、「割れた」ことが茶碗の「終わり」ではなく、

「エピソード」として生き続けます。

先日、石垣島の作家さんのグラスが割れてしまったので、継いでみようと思い、

割れたショックが次の楽しみになりました。

うまく継げたらここでまたご紹介します。

うちにある道具たちには自分よりも先輩のものがいくつかあります。

そのひとつがこれ。(写真:左側)

実家で使われていたコーヒーミルです。

おそらく40年くらい前のものだと思います。

別に高いものではないはずですが、

私は3~4歳のころからこのミルで豆を挽いていました。

数年前に実家で眠っていたのでもらってきました。

時間をかけてゴリゴリ挽いていると部屋の中がいい香りになります。

もう一つ、先輩すぎてご老体なのがこれ。(写真:右側)

夫の実家で捨てられそうなところをもらってきました。

おそらく50年以上前のもの。

手でねじを巻いて動かします。

すぐに時間が狂うので、アテにはできませんが、

コチコチと振り子の音が落ち着くので使い続けています。

こうして道具を使い続けることは楽しいことですが、

実は問題が一つ。

ものを捨てられなくなります。

もっとすっきりした部屋にしたい・・・。

あと、仕事道具のMacだけはやっぱり新しいものがいいです。

「Designer’s Voice」第2回【好きなデザイン、教えてく~

「Designer’s Voice」第2回

【好きなデザイン、教えてください】

 

第2回目の今回は、麹町オフィスで働く長島未来さん。普段はデザイン制作にくわえ、撮影もこなすデザイナー。柔らかな雰囲気が印象的な彼女は、この質問に何て答えるだろう?

――長島さんの好きなデザインを教えてください。

「そうですね。改めて好きなデザインって何かなぁって考えたんですけど…私、トイレが気になっちゃうんですよね。」

――おぉ!これまた斬新ですね。それはプロダクトという面で?それともトイレという空間ですか?

「空間ですね。プロダクトや照明、置いてある雑貨から香りまでその全体の雰囲気が部屋のテイストと一体化している空間が好きなんです。」

――確かに、最近は凝ったデザインのトイレをよく見かけますね。気になったきっかけっていうと?

「意識して気になるようになったのは、大学でデザインの勉強をするようになってからですかね。その頃から美術館に通うようになったんですが、ある時トイレのピクトグラム(情報や注意を示す視覚記号。トイレや非常口のサインなど。)が変わったデザインをしていて。そしたら空間そのものがデザインされてることに気付いたんです。それから出掛けた先では必ずトイレを『見学する』ほどになりました(笑)。」

――それだけ「トイレ通」の長島さん。今まで見てきたなかで印象的なトイレはありますか?

「海外と日本の違いには驚きました。特にピクトグラムでいうと、日本では男性は青、女性は赤という色の違いの認識がありますよね。でも、以前行った台湾では色の識別がないところもあり、男女とも黒の標識、ということがありました。それにデザインも異なるので、間違えて男性の方に入ってしまったことが何回かありました…。」

――(笑)。では、好きなデザインと仕事としてのデザインで共通点はありますか?

「どちらも全体の統一感が大切だと思います。現在担当する流通関連の広告制作は、様々な媒体が使用されるので、ことさら『全体感』が重要になってきます。その点では似ていると思いますね。」

――では最後に、長島さんにとってデザインとは?

「生活になくてはならないものだと思います。ただ、身の回りのものが『デザインされてる』と思うか思わないかで日々のワクワクが変わってくるんじゃないかと。そう、日常が楽しくなるヒントみたいなものですね。」

空間もデザイン、と改めて考えてみれば、普段の何気ない風景が違った景色に見えてくるだろう。これこそが「日常が楽しくなるヒント」なのかもしれない。

IT TREND WATCH第2回「クラウドファンディング」~

皆さん、こんにちは。本日のIT TREND WATCH第2回は、「クラウドファンディング」についてです。

この言葉、IT関係のニュースをチェックしている方はよく目にしているかもしれません。それもそのはず、インターネットが介在する新しいビジネスモデルとして、ネットの隆盛とともにその注目度が増してきているからです。

「クラウドファンディング(英語:crowd funding)」とは、特定のプロジェクトに対しインターネットを通じて不特定多数の人からその起業資金を募る行動を指します。群衆(crowd)と資 金調達(funding)を組み合わせた造語です。ネットがつなぐ人間関係によるファンディングなので、その特性により「ソーシャルファンディング」と呼 ばれることもあります。

クラウドファンディングの主な流れはこのようになっています。
1. まず、クラウドファンディングのサービスを行っているWebサイトを探します。サイトによって様々な条件が異なり、プロジェクトの規模やジャンルによって選択の余地が出てきます。
2. その後、そのサイトに自分のアイデア(プロジェクト)を投稿し、資金を募ります。この際、ほとんどのサイトでは目標金額を設定します。
3. サイトを通じてある一定の基準以上に資金調達できた場合、その資金を使用してアイデアの具体化(もしくは具象化)に取りかかります。
4. そして、そのアイデアによる商品・サービスの実現後は、その売上などに応じて投資者に一定の利益が分配されます。(中には完全に寄付型のサイトもあります)

今までの企業の活動全般を反映した「株式」という価値の購入に対して、一個人(もしくは団体)のアイデアの権利を購入するといったイメージが、新しくかつニーズがあるので急激にブームがきているのかもしれません。

本場アメリカからはこのクラウドファンディングを起点に多くの成功例が出現しています。まだまだ日本では馴染みがないかもしれないのですが、そのようなサービスが広がっている最中と言えるでしょう。

1. Android搭載のゲーム専用機 「Ouya」
利用サービス:KICKSTARTER / 支援人数:63,416人 / 調達資金:$8,596,474
解説:2012年12月に「開発者コース」の出資者に先行して提供されました。今年の3月には一般ユーザ向けにも発売予定です。
http://www.kickstarter.com/projects/ouya/ouya-a-new-kind-of-video-game-console?ref=live

2.どこでも眠れる枕 「OSTRICH PILLOW」
利用サービス:KICKSTARTER / 支援人数:1,846人 / 調達資金:$195,094
デザインスタジオ「kawamura-ganjavian」が出資を募ったどこでも眠れる枕。
http://www.kickstarter.com/projects/ostrich-pillow/ostrich-pillow?ref=card

3.短編アニメプロジェクト「Kick-Heart」
利用サービス:KICKSTARTER / 支援人数:3,232人 / 調達資金:$201,164
「攻殻機動隊」シリーズなどで有名なプロダクションIGと「マインド・ゲーム」の監督湯浅政明のアニメプロジェクト。
資金調達が順調にいけば長編化も予定されているとのこと。
http://www.kickstarter.com/projects/production-ig/masaaki-yuasas-kick-heart?ref=live

4.電子書籍連載漫画「スティーブズ」(現在資金調達中)
利用サービス:CAMPFIRE / 支援人数:276人 / 調達資金:¥1,181,190
若き日のスティーブジョブスをモデルにした漫画。連載を全話無料で購読可能だそうです。※パブー無料会員登録が必要
http://camp-fire.jp/projects/view/484

5.SHY FLOWER PROJECT – 助けてと叫ぶ事のできないすべての花のために。(現在資金調達中)

利用サービス:GREEN GIRL / 支援人数:50人 / 調達資金:¥169,000

パーティーやテレビ番組などで飾られたあと、捨てられる花をドライフラワーやブリザーブドフラワー等にして再生させるプロジェクト。出資額に応じてステッカーやコサージュが提供されます。

http://greenfunding.jp/greengirl/projects/287-shy-flower-project

※プロジェクトの進行状態は2013年1月現在です。

従来、プロジェクトの規模の大きさやリソースの問題などにより、一個人によるスタートアップが厳しかった商品・サービスが、この仕組みでどんどんブレイクスルーされて新しいモノが実現されていく世の中になっていけば、消費者、ユーザーとしては嬉しい&楽しいですよね。

日本でも今後、このクラウドファンディングを利用したヒット商品・サービスが出てくるかもしれません。もしかしたら、あなたのそのアイデアも資金調達できるかも?

「CU:リレーノート」第5回 エリア拡大が進むワイヤレスネ~

ディレクター:井関 努

派手に宣伝されていたわけではないのでいつの間にかという感じもしますが、
2011年末のアナウンスから2012年末の1年ほどを掛けてNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスの4社が進めていたエリア整備によってほとんどの都営地下鉄、東京メトロの地下鉄駅間の3Gエリア化が急速に進んだことをご存じでしょうか?
現在LTEエリアも整備が進められています。

私も地下鉄で通勤しているので移動中、ニュース記事を見たり、メールをしたりとずいぶん快適になったと実感してます。

いままで都心は当然のごとく電波環境が良いとされてきましたが地下鉄走行中のエリアだけは圏外というなんだか不自然な状態が長く続いていました。メールも駅についてアンテナ表示を確認して「送信!」なんてことをしていた訳で、もうそのようなことをする必要がほぼ無くなったと言えます。

ワイヤレスという枠で見れば他にも各キャリアから無料で使用できるwifiサービスというのもあります。
基本的に3G回線より高速で駅構内やカフェ、ファーストフード店で簡単に利用することができる上、電源まで提供してもらえる店舗もあるものですから、長時間パソコンなどを持ち込んで使用する姿も多く見受けられます。

自宅利用も契約した光回線に繋いで利用するスタイルが既に一般化したと言って良い状態ではないでしょうか。
高画質動画の転送など比較的容量の大きなデータを扱うことがなければ特別不便を感じることは少なく、なにより見た目もスッキリしていてかつ置き場所の自由度も高くなります。
当然アクセスポイントである無線ルータの調子が悪くなったり、どうしても速度が欲しいときはパソコンで有線接続することもあるので一本くらいLANケーブルは用意しておきましょう。(ここは大事です。)

無線ルーターは量販店で2000円程度から販売され、面倒な設定も以前より簡単になっているのでスマートフォンや近々タブレット端末の購入を予定されている方はこれをきっかけに導入を検討してみてはどうでしょうか。

このようにここ数年でエリアも速度も急速に進んだワイヤレスネットワークですが
こんなことを書いていますと昔はダイアル回線でピーガーピーガーと鳴らしてwebページを読み込んでいたなんて少し不思議な感じがしますね。。

「CU:リレーノート」第4回 明けましておめでとうござい~

Web SE:蛭田 敦

 

皆様、明けましておめでとうございます。
良い新年を迎えられましたでしょうか。
僕はと言えば年末から煩悩を捨てきれず、友達と『よし!あっちへ行けば旨いものがあるぜ!』『今日はこっちに酒の匂いが…』などと東奔西走し、友人宅を荒らしまわっていました。

そんなことを反省しつつ新年が始まったわけですが、政権交代直後から株価も上がりまくり、やんわりと景気のいい雰囲気になってますね。
しかしながら一方ではやはり厳しい状況が続いているのが現実です。大手出版社の倒産、事業縮小に伴う工場閉鎖などなど。
そんななか、新しい技術やアイデアで業績を伸ばすベンチャー企業もあります。
超薄型の照明器具や特殊電池、まだ開発段階ですが、液体を塗って発電パネルならぬ発電シートにする塗料、そのうち夜でも発電するパネルなんてのも出て来るでしょう。これぞ日本の技術というものがたくさんあります。

新政府に期待したいのは、既に時を経た技術である原発で“イノベーション”などと言わず、これから出てくるであろう真のテクノロジー・イノベーションの流れを加速させてほしい。

新しい技術を生み出す力や能力があるのにそれらを国内で活かしきれず、海外へ技術流出してしまうのは残念。それらを国内で研究開発して世界に胸を張って売り込める体制づくりをもっと進められることを期待します。

ニュートンでおなじみの万有引力などはここ数百年のうちに3回も理論の変遷があるわけで、今後情報技術の進化で未知の発見速度はさらに加速し、既知とされた事物は新たに塗り替えられていくでしょう。

僕は毎朝出勤途中に東京タワーを見上げて“頑張って行きましょう”と、製薬会社エーザイのCMみたいな言葉を胸に仕事に向かいます。

東京タワーを見るたびに、昭和30年代の人たちの戦後日本復興のパワーを感じるんですね。

これからの日本がさらに発展するよう、隅っこで少しでも社会に役立てるようなWebサービスなんかを作っていきたいと思います。

日本はまだまだこれからですぜ!皆さん頑張っていきましょう!!

正月に痛めつけた胃をぬるい牛乳で癒しながら、皆様のご多幸をお祈り致しております。