月別アーカイブ: 2015年8月

vol.2「枝豆スナック」

今回のテーマは「枝豆」
冷えたビールのお供に…ということで夏季には多く市場に登場する、人気おつまみ系スナックのひとつです。その中から3商品をピックアップし、今回も勝手に雑談・分析していきます。

ラインナップはこちら!

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【Line up】左から…
・『えだまめあられ』(岩塚製菓)
・『えだ豆スナック』(亀田製菓)
・『CRATZ 枝豆』(グリコ)



【Members】参加者はこちらの5人。
・ さか(40代・男/デザイナー)
・ しの(30代・女/デザイナー)
・ ちば(20代・男/プランナー)
・ みき(20代・女/デザイナー)
・ まち(20代・女/デザイナー)

お菓子の中でも、しょっぱい系スナックが好き!ビール大好き!
という酒飲みさんたちにお集まりいただきました。

では、対談スタートです!



まずは『えだまめあられ』から。

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 ──パッケージの印象は?

さか:唯一「青」が入ってて「和」っぽい。枝豆のシズルが上にきているのもこれだけ。陳列されたときのことを考えてつくられてますね。
まち:中央の「米」が主張してますね。

 ──食べてみてどう?

みき:商品企画と食べた感じが合っていて、パッケージと中身の印象が同じなのもいい。
さか:枝豆のライト感とあられの軽さがすごくマッチ。たぶんリピートします。
ちば:枝豆好きにはいちばんおすすめ!


Unity’s eye:米どころ新潟の米菓メーカーならではのあられ商品。口当たりが軽く、おやつにもおつまみにもちょうどいい量と手ごろ感です。
緑色が先行しがちな枝豆系パッケージに青色を入れ、他商品との差別化が実現。青色・紺色には藍染めのイメージがあり、「和」「清涼感」「伝統」といった印象を彷彿させます。また、枝豆のシズルが房ではなく粒なのは今回この商品のみ。スナックの形状にひも付けられていることに加え、陳列時にも枝豆味であることがすぐにわかります。
右上には、多言語展開の商品情報を見ることができるQRコード。付いているだけでも品質への配慮が伺え、消費者の安心感につながります。




続いて『えだ豆スナック』。

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  ──パッケージの印象は?

まち:枝豆のシズルがきれい!塩のつぶまで見せていて臨場感がありますね。
みき:「沖縄のシママース塩」・「ノンフライ」・「茶豆」といったコピーに惹かれます。こだわってそうなかんじ。
しの:「ノンフライ」は気になるね〜。昔ながらっぽい筆文字使いも印象的。
さか:「豆」が笑ってるようなロゴがいいね。みんなでわいわい食べる場面が想像できる。

  ──食べてみてどう?

ちば:この軽い食感すき!パッケージでも「パリパリッ」とか謳ってもいいと思います。
まち:最初のインパクトは薄めだけど、食べ進めるうちにやみつきになります。


Unity’s eye:こちらも新潟の老舗メーカー。「亀田」の安心感に加えて、パッケージ人気もNo.1でした。圧倒的な枝豆のシズル感に、こだわりを感じられるコピー。さらに、筆文字がおおらかで効果的。筆文字は文字情報に加え、表情・感情を伝えることができます。パッケージいっぱいに配置した商品名も店頭で目立つこと間違いなし。
ポテトチップスと同様のサイズでありながらカロリーは216kcalと低め。枝豆感・塩味ともに控えめで上品な味わいと軽い食感がクセになる、子供からお年寄りまで楽しめるお菓子です。




最後は『CRATZ 枝豆』。

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  ──パッケージの印象は?

しの:知名度と安心感があるので、いちばん期待できます。
さか:開けやすい『OPEN表記』が親切ですね。こういう細かい気遣いはうれしい。
ちば:パッケージからも伝わる「おつまみ感」。レジ横にあるとつい手に取っちゃいます。

  ──ちなみに以前の『CRATZ えだまめうすしお味』のパッケージはこちら。
   

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ビール強調(コピーでも訴求)
「うすしお」・「期間限定」


さか:たしかに今回のはビールが小さいと思った。パンチが効いててこれもいいね。

  ──食べてみてどう?

まち:濃い目の味としっかりした噛みごたえで満足感ばっちり。後で必ず買います!
しの:アーモンド入りもたまらない。期待どおりのおいしさで、1袋でビール3杯飲めちゃいます。


Unity’s eye:グリコのおつまみ系スナックの看板商品のひとつ。一定のファンを持つブランド力で、食べたいランキング(期待値)はダントツの1位。おつまみ感や手軽さだけでなく、しっかりした味わいと歯ごたえで十分な満足感が得られます。コスパも良くリッチ感もありおつまみには最適。お酒を同時購入させるような仕掛けがあれば、量販店さんにもウケるのではないでしょうか。
食べるシチュエーションをイメージさせるシズルはアピールとしてかなり効果的。ビールを全面に押し出したパッケージを定番化した結果「クラッツ=ビールのお供」とブランディングでき、ユーザーの安心感を生んでいると思われます。また、これがさまざまな新フレーバーをヒットさせる要因にもなっているでしょう。



今回の3商品は、どれもメーカーの特色が色濃く出ていました。洋の『CRATZ』はしっかりした歯ごたえとパンチのある味付けに対して、和の『えだ豆スナック』『えだまめあられ』はライトな食感と優しい塩味。もちろんどちらもビールに合うこと請け合いです。
また「おつまみ」という需要に絞ることでターゲットが明確になり、効果的なアピールが可能に。メインターゲットはおそらく『おじさん』層。パッケージも「おしゃれさ」よりも自ずと「渋さ」重視や「和」テイストに寄っています。


最後に、『えだまめあられ』の試食でも話題に出た「店頭での陳列時におけるパッケージのあり方」について掘り下げてみましょう。

棚陳列されるパッケージは棚の柵、値札、POPなどで下の方が見えにくくなります。逆に目に入るのは上半分。そこに訴求したい要素を配置することが重要です。
つまり、『えだまめあられ』は枝豆のイメージを、『えだ豆スナック』はコピーと品名を、『クラッツ』はコピーとスナックのイメージをアピールしていると考えられます。

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『クラッツ』に関しては、棚陳列だけでなくフック掛けのシーンも想定した構図が必要です。今回のパッケージで、ビールよりもスナックのイメージを優先したことについてちょっと想像してみます。

お菓子コーナーではなくおつまみコーナーに展開されていれば、「おつまみ」という前提で商品を見ることになる。その場合、ビールを強く見せるよりも中身を美味しそうに見せればよいのではないでしょうか…? おそらく『クラッツ=ビールのお供』というイメージがかなり浸透していることに加え、おつまみ用のスナックを選んでいるお客さんのカゴにはすでにビールが入っている可能性も高いからです。
というわけで、『クラッツ』は中身自体の「旨さ」をアピールすることにシフトしたのだと推測できます。店頭に並んだ商品パッケージの、さらに奥にある背景を想定されたクリエイティブと言えるでしょう。


まだまだ残暑は厳しく、ビールが美味しい季節。
仕事帰りにビールと一緒に枝豆スナックもぜひチェックしてみてください。

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