「らしさ」のあるお店
「らしさ」あるお店作りをデザインの視点から考えよう。
デザイナーが見つけた「魅力的」「面白い」「伝わる」お店をご紹介。
「らしさ」のあるお店づくり十三回目のお店は『ルスティカ菓子店』さん
2014年10月9日
カテゴリー:「らしさ」のあるお店づくり
『「らしさ」のあるお店づくり』では飲食店を中心としたお店にご協力を頂き、魅力的な空間づくり・ロゴ・販促ツールについてデザイナーの視点からあれこれ聞いちゃいます。
第13回のお店は、阿佐ヶ谷の商店街と住宅地の間、ほどよく静かな場所にあります。
オープンして間もなく1年の町の小さな洋菓子屋さん「ルスティカ菓子店」さんに訪れました。お話はパティシエで店主の中井美智子さんにお話を伺いました。
建物をリノベーションしたコンパクトな店構え、ブリキのショーケース、古さと新しさがミックスした雰囲気が特徴的ですね。
「自分一人で切り盛りできるお店を持ちたかったので、商店街の中ではなく、ちょっと外れた場所、あとは公園の近くにしたいと思い見つけたのがこの場所です。
この店舗は築40年の古い物件でした。ちょうどこの頃、設計士の井田耕市さんと出会い、このお店の設計をお願いすることになりました。井田さんには私の趣味や好きな雰囲気を伝えましたが、細かいディティールの注文はしていません。私の感覚を汲み取っていただけました。入り口の建具は私がアンティークショップで見つけたものです。洋菓子のお店ですが、和のものが好きなんです。お菓子にも和素材を取り入れています。」
あえて商店街の外れを立地に選んだということは、宣伝をしっかりされたのですか?
「宣伝らいしいことはしていません。Webを友人に作ってもらい、ブログを書いたくらいですね。オープン当初から新しいものが好きなご近所さんが立ち寄ってくださいました。
自分一人でできるお店として始めたので、ちょうど良いペースでした。それでも土日はちょっと忙しくなってきましたので、週末のみアルバイトの方に入ってもらっています。」
店名の「ルスティカ」は「ツバメ」の学名「Hirundo rustica」から取られたそうですね。
「はい、ツバメは幸福をもたらす鳥と言われています。当店はハレの日のお菓子よりも、日常を幸せにしてくれる普段のお菓子を提供したい。そんな想いから付けています。
ツバメのロゴは知人の切り絵作家の”うヴェや”さんに作ってもらいました。このツバメをとても気に入っていて、焼き印にしてロールケーキに押しています。」
お菓子を作る時、どんなことに気を遣われるのですか?
「粉(小麦)が好きで、産地を使い分けています。柔らかいお菓子には北海道の粉が合います。典型的なフランス菓子はフランス産、スコーンはブレンドしています。前職もパティシエをしていました。その頃から粉の産地や配合の研究をし、今の味にたどり着きました。また、素材の味をちゃんと引き出したいからベーキングパウダー以外の添加物は使用していません。
季節での味の調整もしています。夏は砂糖を少なめにして軽めで食べやすく。冬はコントラストを強めに、食感のある素材を入れたりしています。自分が美味しいと思った物をお客さんにも美味しいと言っていただけることが嬉しくて、やりがいになります。」
今後の展開について教えてください。
「季節ごとの商品を出していますが、種類をさらに増やしたいです。でも、まだまだ試作が追いついていません。美味しい物を食べて頂く為に、納得のいくまで試作は重ねたいです。10月は、『白あんとあんずのパウンドケーキ』『柿のマフィン』などをご用意してお待ちしております。」
【店名】ルスティカ菓子店
【場所】杉並区阿佐ヶ谷4-21-8
【電話】03-3556-8856
【営業時間】11:30~19:00
【定休日】月曜日・火曜日
【web】http://rustica-caci10.com/index.html