Designer's Voice
「Designer’s Voice」第12回【好きなデザイン、教えてください】
2013年8月21日
カテゴリー:Designer’s Voice
弊社の在籍デザイナー12人。
今回でインタビューはラストを迎えます。
トリを飾るのは磯崎麻里さん。
前職はマーケティングリサーチの仕事をされていて、
ユニティに入社してデザイナーに転じた。
何だか「ドラマ」がありそうな予感…。
**
*最近「これは!」と思ったデザインはありますか?
そうですね…。
ちょっと前になっちゃうんですけど、
ややデザインからはみ出るかもしれないんですけど…
震災の直後に放送された九州新幹線のCM。
あれは「やられた!」って思いましたね。
*沿道に集まった地元の人たちが印象的なCMですよね。
そうそう。
クリエイターのひとりよがりじゃない感じがするんです。
「みんなでつくる」ことのすごさというか…。
共感した人をあれだけ集めるっていうすごさに驚きました。
*「アート」に関して好きなジャンルというと?
日本のものが好きですね。
江戸時代とかそれ以前の時代も大好きですし、
明治・大正あたりのアール・デコとかも好きです。
*いつからお好きなんですか?
実家の近くに骨董品屋さんとか古本屋さんとかが多くて、
中学ぐらいからぶらぶら通ってたんです。
骨董市とかで版ズレした浮世絵とか古地図とか…
いっぱい集めてましたね。
そのころから日本のアートに興味が湧いたのだと思います。
*となると「新しさ」より「古さ」に惹かれます?
今は、
「長くつき合えるものかどうか」ってことが気になりますね。
だから、1年持ったら飽きちゃうだろうなっていうものは
あんまり手にしないです。
*前職のときって、
デザインに関してどんなお気持ちだったんですか?
やっぱりね、すごく迷いのあるもやもやした時期でしたね。
作品はつくってたし、個展も年1回開いてました。
なんですが、自己満足のものはどんどん生産してるけど、
世に欲されてお金になるものは編み出してないっていうのが、
心のどこかでずっと引っかかってたんですよね。
*今ではデザイナーとしてだけでなく、
アカウントや制作チームの取りまとめまでされてますね。
元々人見知りするほうで、
自分の世界に入っていたいタイプなんですけど——
*でなきゃ中学生で骨董市なんて行かないですよ(笑)。
(笑)なんですけど、
仕事に関してはひとりじゃない方がいいっていうか。
お客さんとか、外の人にも会いに行きたいし、
つくることもできるだけチームで作りたい。
そう思うからこそ、九州新幹線のCMに「すごい!」って
思ったのかもしれないですね。
*では最後に。
磯崎さんにとって「デザイン」とは?
おぉ!うーん…
これは願望でもあるんですけど、
「人の生活を楽しくするもの」
…であって欲しいし、そうなるものをつくっていたいですね。
**
以前感じていた「もやもや」はなくなって、
やれる限りはこの職業をやっていきたい。
死ぬまで何かを「つくってる」人でいたい。
いろんな「ドラマ」を経験したからこその気持ちと決意。
真っ直ぐな瞳でそう話す磯崎さんが、かっこ良かった。
写真は崎陽軒のひょうちゃん。
「長く愛されているもので思い浮かんだのが何故かこれでした」
とのこと。