月別アーカイブ: 2014年10月

「らしさ」のあるお店づくり十三回目のお店は『ルスティカ菓子店』さん

『「らしさ」のあるお店づくり』では飲食店を中心としたお店にご協力を頂き、魅力的な空間づくり・ロゴ・販促ツールについてデザイナーの視点からあれこれ聞いちゃいます。

第13回のお店は、阿佐ヶ谷の商店街と住宅地の間、ほどよく静かな場所にあります。
オープンして間もなく1年の町の小さな洋菓子屋さん「ルスティカ菓子店」さんに訪れました。お話はパティシエで店主の中井美智子さんにお話を伺いました。

ルスティカ菓子店

建物をリノベーションしたコンパクトな店構え、ブリキのショーケース、古さと新しさがミックスした雰囲気が特徴的ですね。
「自分一人で切り盛りできるお店を持ちたかったので、商店街の中ではなく、ちょっと外れた場所、あとは公園の近くにしたいと思い見つけたのがこの場所です。
この店舗は築40年の古い物件でした。ちょうどこの頃、設計士の井田耕市さんと出会い、このお店の設計をお願いすることになりました。井田さんには私の趣味や好きな雰囲気を伝えましたが、細かいディティールの注文はしていません。私の感覚を汲み取っていただけました。入り口の建具は私がアンティークショップで見つけたものです。洋菓子のお店ですが、和のものが好きなんです。お菓子にも和素材を取り入れています。」

古さと新しさがミックスした雰囲気が特徴的

あえて商店街の外れを立地に選んだということは、宣伝をしっかりされたのですか?
「宣伝らいしいことはしていません。Webを友人に作ってもらい、ブログを書いたくらいですね。オープン当初から新しいものが好きなご近所さんが立ち寄ってくださいました。
自分一人でできるお店として始めたので、ちょうど良いペースでした。それでも土日はちょっと忙しくなってきましたので、週末のみアルバイトの方に入ってもらっています。」

ツバメの焼き印のロールケーキ

店名の「ルスティカ」は「ツバメ」の学名「Hirundo rustica」から取られたそうですね。
「はい、ツバメは幸福をもたらす鳥と言われています。当店はハレの日のお菓子よりも、日常を幸せにしてくれる普段のお菓子を提供したい。そんな想いから付けています。
ツバメのロゴは知人の切り絵作家の”うヴェや”さんに作ってもらいました。このツバメをとても気に入っていて、焼き印にしてロールケーキに押しています。」

粉(小麦)の産地を使い分けたお菓子の数々

お菓子を作る時、どんなことに気を遣われるのですか?
「粉(小麦)が好きで、産地を使い分けています。柔らかいお菓子には北海道の粉が合います。典型的なフランス菓子はフランス産、スコーンはブレンドしています。前職もパティシエをしていました。その頃から粉の産地や配合の研究をし、今の味にたどり着きました。また、素材の味をちゃんと引き出したいからベーキングパウダー以外の添加物は使用していません。
季節での味の調整もしています。夏は砂糖を少なめにして軽めで食べやすく。冬はコントラストを強めに、食感のある素材を入れたりしています。自分が美味しいと思った物をお客さんにも美味しいと言っていただけることが嬉しくて、やりがいになります。」

素材の味をちゃんと引き出したいからベーキングパウダー以外の添加物は使用していません。

今後の展開について教えてください。
「季節ごとの商品を出していますが、種類をさらに増やしたいです。でも、まだまだ試作が追いついていません。美味しい物を食べて頂く為に、納得のいくまで試作は重ねたいです。10月は、『白あんとあんずのパウンドケーキ』『柿のマフィン』などをご用意してお待ちしております。」

美味しいお菓子を提供するために、全ての仕事を自らの手で行い、そのペースを守る中井さん。

【店名】ルスティカ菓子店
【場所】杉並区阿佐ヶ谷4-21-8
【電話】03-3556-8856
【営業時間】11:30~19:00
【定休日】月曜日・火曜日
【web】http://rustica-caci10.com/index.html




「らしさ」のあるお店づくり十二回目のお店は『つむぐカフェ』さん

『「らしさ」のあるお店づくり』では飲食店を中心としたお店にご協力を頂き、魅力的な空間づくり・ロゴ・販促ツールについてデザイナーの視点からあれこれ聞いちゃいます。

第12回のお店は風情のある谷根千エリアに訪れました。
ゆるやかな空気が流れる路地でお店を構えるのが「つむぐカフェ」さん、店主の谷貝さんにお話しを聞きました。
「つむぐカフェ」さんはオープンして2年、接客とお店のプロモーションを担当する旦那様と調理担当の奥様の二人三脚で営まれています。
今回のお話しは旦那様の英之さんにお話を伺いました。


糸巻き車を入り口に置き、お店のシンボルであり、いらっしゃるお客様の目印としています。

店名からして「つむぐ」ことがコンセプトなんですよね?
「はい、人と人とのつながり、お客様とお店のつながりを紡ぐことに加え、お客様一人一人の大切な時間を紡ぐ場でありたいという想いから付けています。『紡ぐ』から、糸巻き車を入り口に置き、お店のシンボルであり、いらっしゃるお客様の目印としています。」


コミュニケーションを大切にされていることに加え、お子様連れのお客様への気配りが伺われます。

コミュニケーションを大切にされていることに加え、お子様連れのお客様への気配りが伺われます。
「家族ですごしやすいお店でありたいと思っています。また、お子様連れでないお客様には親子が楽しく過ごしている様子に共感し、楽しくなって頂きたい。例えば、ご年配の方であれば、子どもが幼かった頃を懐かしく思い出していただいたり、若い方であれば、将来の子育てを楽しみになってもらいたい。そんなお店を目指しています。」

ご年配の方であれば、子どもが幼かった頃を懐かしく思い出していただいたり、若い方であれば、将来の子育てを楽しみになってもらいたい。そんなお店を目指しています。

そんな雰囲気をつくるための具体的な工夫もされていますね。
「妻と谷根千を散歩した時に二人ともこのエリアを気に入りました。アートスポットや文豪の史跡があり、古いものと新しいものの融合した街。下町人情、ご近所付き合いも根付いています。この街なら自分たちの作りたい雰囲気にマッチすると感じました。店舗は正方形でカウンターから店全体を見渡せ、お客様と目が合う距離であること。家族で過ごすための”小上がり”をつくることが主な条件でした。小上がりには畳を敷いておもちゃや本で自由に遊べるようにしています。物件探しは難航し8ヶ月もかかりましたが、粘った甲斐がありました。」


看板メニューの「つむぐパングラタン」

こうして誕生した「つむぐカフェ」、勿論、メニューへのこだわりもしっかりあります。
「お子さんにも食べて頂きたいのもあり、安心で美味しい、独自性のあるメニューを夫婦で考えました。試作当初はクロックムッシュを作りましたが、どうもシズル感に欠ける。テーブルに運ばれた時に『わぁ~!』となる感じが欲しく、考えたのが『パングラタン』です。特別感、満足感を感じて頂けると思い、お店のメインメニューにしました。」

写真は看板メニューの「つむぐパングラタン」。パン、ベシャメルソース、ベーコンは自家製。このベーコンはお店で薫製しています。手間を惜しまず素材からの手作りというこだわりようには脱帽です。お家では味わえない、また食べたくなる逸品です。パングラタンは副菜2品とスープもついています。ドリンクは季節の素材でつくる自家製コンフィチュールのドリンクがおすすめ、寒い日にはホットジンジャーがおすすめです。


寒い日にはホットジンジャーがおすすめです

ところで、宣伝は何かされていますか?
「宣伝費に余裕がないのですが、オープンの時は自分達でできる工夫をしました。フライヤーをつくり、自分でポスティングをしました。近所付き合いの濃い地域柄、インターホンを押して、顔を合わせてご挨拶をしました。また、2日間のプレオープンではフライヤーをお持ちのお客様には食事・ドリンクメニューを無料提供しました。味には自信があったから一度味わって頂ければ、またきて頂けると確信していました。おかげさまで口コミが広がり、最初の1年目で常連になってくださるお客様も定着しました。ママさんのネットワークでの口コミには助けられました。2年目に入り、本やテレビでの紹介をされることで遠方からのお客様もきてくださりました。ただ、当店の許容量を超えることもあり、本来あって欲しい雰囲気とのギャップが起こり、その時は私の想いを長いブログにしたためてお伝えしたりしました。」

人と人とのつながり、大切な時間の場づくり、谷貝さんの想いが、お店の全てに浸透しています。


人と人とのつながり、大切な時間の場づくり、谷貝さんの想いが、お店の全てに浸透しています。

最後に、直近で何かご予定はありますか?
「オープン2周年記念キャンペーンをします。通常1250円のスペシャルランチセットを1000円にします。期間は10月7~9日までです。」

谷根千散歩の寄り道に是非お越しください。

【店名】つむぐカフェ
【場所】東京都文京区千駄木2-8-3 1F
【電話】03-5834-8338
【営業時間】10:00~19:00(18:00 LO)
【定休日】日曜日、不定休あり
【web】http://tsumugucafe.com/

【店主 谷貝さんから営業時間に関するメッセージ】
当店は夫婦で切り盛りしている小さなお店です。現在、保育園に通っている子供がいるため、子供の体調不良で保育園に預かってもらえない場合などには、臨時休業またはご予約いただいたお客様のみの営業をさせていただくことがございます。その際は、ブログ及びツイッターでご連絡させていただいておりますが、前もって当店にご来店のご予定があるお客様は、お電話での席のご予約もしくは営業確認のお電話をいただければ幸いです。お手数をおかけいたしますがご理解の程、何卒よろしくお願いいたします。
つむぐカフェ 店主



「Going My ゴルフ」第8回のテーマは「メンタル」

夏の季節も終わり、朝夕はだいぶ涼しさを感じる様になりました。
スポーツの秋!運動するには最適の季節ですね!

9月は私が所属するゴルフ場でクラブ選手権が行われました。
クラブチャンピオンを決める競技で、クラブ競技の中で最も名誉のあるものです。
他のゴルフ場でも、ベストシーズンであるこの時期にクラブ選手権を開催する事が多い様ですね。

参加資格である、ハンディキャップ11以下をギリギリ満たしている私も予選に参加しました~
今回はそこで改めて感じたゴルフの難しさ「メンタル」がテーマです。


クラブ選手権の予選はストロークプレー(27ホールで少ない打数で回った上位16名が予選通過)。
決勝は通過した16名でトーナメント方式のマッチプレー(1対1で1ホールごとに勝敗を決め、勝ち越した方が勝利)が行われます。

今年の予選参加者は35名ほど。
確率約1/2で予選通過が出来ますが、エントリーしている人たちは強豪ばかりです。
ハンディキャップの数字からして、私が一番格下です。

プレー中は同じ組の方以外のスコアはわかりませんが、例年だと27ホールで123ストローク以内で安全圏という情報を得ていました。
という事で、目標はハーフ(9ホール)で41平均で回る事!

しかし、始めてのクラブ選手権の緊張感は想像以上のものでした。
最初のティーショットをミス、そこからもミス、ミス、ミスの連続…自分では冷静なつもりでしたが立て直す事が出来ず。
その後もミスを取り返そうとして、更にミスを重ねてしまいました。

結果、最初のハーフは49。
内心「あぁ…もう終わった。。」
そう思ったときです。

「去年の通過ラインなんて関係ない。他の人だって打ってるかもしれないし、最後まであきらめずにやってみたら?」
声をかけて下さった方は、同伴競技者であった去年のクラブチャンピオンでした。

目が覚めました。
自分自身で勝手に通過ラインを想定してプレーするなんて、初参加の自分にはおこがましい事。
ただ、1打1打全力を尽くして目の前プレーに集中すれば良かった。

そこからはなんとか持ち直せて、残りはホールは42、41のスコアでフィニッシュ。
…結果的には、カットラインに1打及ばず予選落ちとなりました。

よくスポーツや武道で「心・技・体」という言葉が使われます。
その中でも最も鍛えるのが難しいのが「心」すなわち「メンタル」ではないでしょうか?
そして、ゴルフは「メンタルスポーツの代表格」とも言われます。

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ゴルフはプレー中のほとんどが考える時間です。
打つ時間はほんの一瞬、ボールの位置まで歩いていく間に様々な事を考えます。
残りの距離を考えたクラブ選択、ピンの位置、ボールのライの状態、狙う地点の状況など…
その際に悪いイメージを抱いてしまうと、大抵結果にも表れてしまいます。

ゴルフは相手ありきのスポーツではありません。
競技ともなれば他者と競い合うわけですが、本当の敵は自然と自分自身にこそあるのです。
一番大事な事は、普段の練習の成果を本番でいかに発揮できるか。

今回は残念な結果となりましが、この経験を活かして来年以降も頑張ろうと思います。
……それにしても1打足りないとか本当に悔し~!(笑)

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写真は予選通過者だけが貰えるネームタグです。
来年こそ手に入れるぞー!